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【新しい働き方を知ろう!つくろう!⑤】シェアワークってどうやるの?チームで仕事をつくる―株式会社カルチャー・プロ編

2018年1月26日

1976年に創業。その当時は「編集プロダクション」という業態が認知されていなかった。そこから編集プロという業態を作り上げてきたのが株式会社カルチャー・プロ(以下、カルチャー・プロ)。中学英語から手掛け始め、現在は幼時から大学のリメディアル教育、さらには、一般まで、5教科及び実技教科の教材を作る編集プロダクションだ。東京の本社と京都の関西支社があり、現在50名近い社員・従業員が在籍している。

 

編集プロダクションというのは、クライアントからの依頼を受け、出版物や制作物・メディアの企画や執筆・編集を行い、コンテンツを制作するというクリエイティブの部分を請け負う場だ。

このカルチャー・プロで今新しい働き方の取組みが始まっている。塩川政春さん(しおかわまさはる 以下塩川さん)と嶋本トシ子さん(しまもととしこ 以下嶋本さん)のお二人に話を聞く。

 

 

CSP(カルチャー・プロ・サポート・プロジェクト)はAKBのようだ

 

カルチャー・プロの新しい働き方の取組みというのは「シェアワーク」という働き方だ。1つの仕事に対して複数名の人間がつき、そこで仕事をシェアするというやり方である。

このような働き方はオランダ、ドイツ、フランスなどのヨーロッパの企業ではよく実行されている働き方で、目的も長時間労働の制限や雇用機会を増やすためなど様々だ。

日本にも概念は導入されてはいるものの、未だ活用されているケースは企業規模に限らず多くはないだろう。そんな中カルチャー・プロはこの働き方の導入に向けて、実践的な模索を行っている。

 

「シェアワークは今5人くらいで体制を作っています。その中でひとりの核となる女性にマネージメントをしていただき、現在は入力と校正という2つの仕事を中心にお願いしています」。

実際にどんな風にシェアワークを行なっているのか、塩川さんが具体的な内容を話してくれた。

 

「お願いしたい業務を核になる女性が受け取り、5人の中で誰が担当しいつまでにどのように進めていくかを検討し、そして実際に行動し完遂させる。今はスケジュールがはっきりしたものや、1週間くらいの期限のものをシェアワークのチームに投げるようにしています。また、お願いできる仕事の内容・領域を拡張すべく、編集制作にかかわる業務を細分化し。誰にどのような業務をお願いしたかを把握できるようにもしてもらっています。

チームで進めている以上、皆が把握できるためにも情報共有は必須だし、それぞれが今どのように進めているのかのコミュニケーションも必要です」

 

カルチャー・プロでは、このシェアワークのプロジェクトをCSP(カルチャー・プロ サポート プロジェクト)と名付けている。

「核になる女性が大企業で勤務をしていた経験を活かし、すごくきっちりした議事録を上げくれたり、チーム内の統括の仕方もシステマチックだったり。私たちにも刺激になります。その彼女が個性的なメンバーを率いてくれる、まるでAKBの総監督のような存在です。今までは編集が好きだとか英語が好きだとか学校や塾の先生の経験者など、似通った経歴の人たちが多かったのですが、このチームの中には元SEなど全然違うスキルを持った人がいる。その箱の中で卒業する人もいるし女優になる人もいるけど、それが良い!というくらい個性的。でもこのAKBのチームモデルがうまくいくのであれば、SKEも作ろうとか、そんな風にチームを増やしていけると良いなと思っています」。

嶋本さんからはとてもイメージが湧く発言が出てきた。

 

 

シェアワークではどのようなことを大事にしているか、今の課題は何か

 

「シェアワークに取り組んだきっかけは、単純に言うと労働力活用の問題でした。請負の仕事なので、どうしてもピーク時とそうではない時の差があり、業務量が不安定にならざるを得ません。ピークの状況によっては仕事を断らなければならないこともありました。そこである程度業務を切り分けて、今回のシェアワークのように、請け負ってもらえるチームができれば、社内の人たちも余裕が持てて、質を高めることに集中できると考えました。業務の平準化も図れます」。

 

会社の仕事の受け方によってどうしても偏りが生じてしまうこれまでの仕事に対して、塩川さんは以前から課題意識があったようだ。担当者が一人で行っていた業務を切り分けて、シェアワークのグループにお願いできることを増やしていくことによって効率が良くなり、結果的に社内外でうまく仕事が循環するはずだと考えている。

 

「この編集という業界自体、スキルがないと入って来にくいんですよね。現在は正規・非正規という言葉の線引きによって、正規雇用以外の採用が考えにくくなっています。本人から『パートでもいいです』と言えるとしたら、経験を積ませてあげることもできるし、本人も自己の適性を見極めることができる」。

 

確かに私たちの一般概念として正規・非正規という言葉の区切りが、まるで働く職種や仕事内容まで区分けてしまっているように感じる。

ただ、ここにいるシェアワークの人たちはそのような概念は超えて、今自分が働くことができる時間で、チャレンジする仕事があるという目の前の仕事にまっすぐ目を向けていることがわかる。

 

「シェアワークで働いていただいている方々と先日食事会をしたのですが、彼女たちが『こういう仕事ができることが嬉しい』って言ってくれるんですよね。そういうことを言ってくれるのはとても嬉しいし、ありがたい。そういう人たちがお互いにとって良い関係ができれば一番良いと思っています」

 

塩川さんはシェアワークで働く人たちの顔を思い出したのだろう、穏やかな微笑みを見せていた。

「一方、どういう作業をお願いしていくかというのはまだ模索しています。どういう仕事内容だったら良いのか、まだ共有しきれていません。メンバーの方に仕事を覚えてもらうために、社内の担当者が割かなければいけない時間も必要になってくるんですが、それを経ていくことで将来的に担当者本人がより生産性の高い仕事に集中できるようになるはずです。そのためにも、まずは業務をなるべく切り分けようという全社的な取り組みを進めていきたいと思っています」。

 

嶋本さんからは課題もお伝えいただいた。ただ、社内では積極的に取り入れていこうという動きも見えているようで、お互いにコミュニケーションをとりながらもっと深く入り込んでいくこともできる未来が見えているようだ。

 

 

「事実毎年継続される案件をチームにお願いすることで、体制が作りやすくなることもあります。そういう仕事を意識的にお願いしていくという傾向も最近出て来ました」。

 

試行錯誤しながら前に進んでいる感触を伝えてくれた塩川さんの言葉に嶋本さんも頷いていた。シェアワークの取り組みはまだ始まったばかりだ。

 

 

シェアワークを取り入れる大きなポイント

「正直、私たちが今までの採用基準でいたら、シェアワークの核になる女性のような人は採用できなかったと思います。編集経験があるかどうか、とか英語ができるかどうか、とか、そういうスキルを中心にみていたから。でも、彼女が担っている『統括できる能力』って必要なんですよね。耐えてチームを引っ張ってもらう、とか、積極的に発信してくれるとか」。

嶋本さんはシェアワークの中でも起点になっている女性のことを話し始めた。そこに同意するように塩川さんも加わる。

 

「例えば専門性を求めるならば、社内でなくても外部にいてくれたら良くて、そことどう連携していくか、そういう人とうまく仕事ができるかどうかは大事です。シェアワークのチームは、それが内部でもあり外部でもあるという立ち位置にあって、やっぱり個々ではなくチームで回しているということが良いんですよね。そのチームの中で育成もできて、そうやって伸びていく。チームを作ってそのチームを引っ張っていける彼女のような核になる人をずっと探していたんですよね」。

 

シェアワークを取り入れると決めたとして、グループを作って「はいどうぞ!やってください」というお膳立てをしても、グループを作るだけではうまく機能しないことが理解できる。

そのグループを育成したり、矢面に立ったり、仕事を把握したり、うまく外部と渉外したり、率いるプロジェクトマネージャーのような人が1人いるだけでシェアワークがうまく回り出すということだ。

 

会社としては異例の採用だったということだが、結果新しい働き方の導入に繋がっている。

この働き方を知った人たちが編集という仕事を経験してまた新しい道を歩める可能性もあるし、カルチャー・プロに多くのシェアワークのグループが生まれるかもしれない。

新しい働き方を実践するチームとそれを受け入れる組織と、双方のイメージする未来に向けて、今カルチャー・プロは走り出した。


多摩地域・団体/会社概要

会社:カルチャープロ株式会社
業態・事業内容:学習教材を中心とした企画・編集・出版とそのデジタル処理
代表者氏名:清水 千穂
住所:調布市布田4-6-1 調布丸善ビル7F
働いている人数:53人